65万年分の世界を物語った男
旧石器発掘ねつ造問題の調査結果が発表された。その結果、一時は70万年前までさかのぼるといわれていた「日本列島の人類史」は、一気に5万年前までと、短くなってしまった。ねつ造をした男は、今や世間からたたかれまくっているが、ボクは怒るよりも、「たった一人の男が65万年分の世界を作り出していた」事にすごくひかれてしまう。(もちろん使った方法はダメダメだけどね)
果たして、この男は「70万年前まで歴史がさかのぼる」と、本当に信じていたんだろうか?それとも、「ちょっとぐらいなら」と思って借りたサラ金の借金が、あっという間に膨らんでいくように、ちょっとした「他より1万年ぐらい古いことにしよう・・・・」なんて軽い気持ちでついた嘘がどんどん大きくなって、ついには「65万年分の嘘」となってしまったんだろうか・・・。
結局この男は、何をしたんだろう・・・もともと何もない暗黒時代だった原始日本に「65万年もの壮大な時間」をつくりだしたのか、それとも本当は存在していたかもしれない「壮大な原人の歴史」を、この男が消してしまったのか・・・。そうだとしたら、この男が物語ったことが原因となって、「壮大な原人の歴史」を滅ぼしたことになるよね。
65万年を生み出そうと、物語ったことが結果として、(もしかしたら本当にあったかもしれない)65万年を滅ぼしてしまったなんて・・・なんかこの題材で1本芝居が書けそうだ。