ピタゴラ装置と脚本
煮詰まると読んでいるのが、「ピタゴラ装置DVDブック2(小学館2,940円)」。この本は、ピタゴラスイッチに登場したピタゴラ装置の映像を集めたDVDと解説本のセット。収録されている装置は全部で32。あっという間に終わる装置もあれば、ハラハラがずっと続く装置もあって何度見ても飽きない。
DVDで1つ装置を見て、本をひろげて全体写真を見て、さらにパートごとの解説を読む。所々に製作者のコメントもあり、「ある装置では失敗が続き、あと3回で出来なかったら諦めようと話した3回目に成功した」なんて裏側も楽しめる本。「へー」と本を読んだあと、また映像を見て楽しめる。
スタートしたビー玉が、時に数が増え、別のモノに変わり、思わぬ力を借りて予想外の動きをする。一度転がり出すとゴールまで全然予想出来ない。そして最後の瞬間に感動する。
短いけれど見事なエンターテインメント。
この本のあとがき、「ビー玉は、ちっともうまく転がってくれない」と言う文章も良かった。その締めくくりにはこう書かれている。
「想像の自由さ」が本当にその素晴らしさを発揮するのは、思い通りにならない現実からの逃避先が示されている時ではなく、「現実の不自由さ」を打破するパラダイムがその中に示された時だと思います。(本の後書きより抜粋)
ボクもそう思う。