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2007年9月22日 (土)

コバルトにいさん

今日はイナダ組公演「コバルトにいさん」の公演日。ゲンとジャンジャンで昼カリーを堪能してからイムズホールへ。演出のみでロビーにいたイナダさんとしばらく話してから会場へ。

開演前から、ステージには「ダンボールハウスの中でまったりする女性」が。客席を気にするでもなく、開演まで佇む女性。この「そこにいるようでいない存在感」が、後々物語に大きな意味を持ってくる。この辺の演出大好き。

登場人物達は皆「空虚さ」の中、それでも生きている。どこに向かうのかわからないまま、時には「関係ないよ」とつっぱり、笑い、もがき、寄り添ったり離れたりしながら、舞台中央のダンボールハウスに、コバルトにいさんの周りに集まる。

コバルトにいさんというのは、ダンボールハウスの主。強烈な存在だけど、そもそも誰かわからない、社会からは無視されている、「そこにいるけど、いない人」。これが最高に素敵な役者さんで、見事に矛盾する存在を演じていた。いや、演じてるとか気にならなくなった。だってそこには、コバルトにいさんがいたもんね。ボクも一度、コバルトさんと喋ってみたいなぁとか思いながら、「そこにいるけどいない自分」として、舞台に参加していた。笑わせて脅かして切なく終わる。もっと観ていたかったなぁ。

隣の席が偶然知りあいの記者さんだったので、終わったあとに一緒に楽屋へ。イナダさんはじめ役者の皆さんと話す。「客演においでよ」なんてイナダさんが言ってくれて、かなり嬉しくなる。こちらこそ機会があれば、ぜひイナダさんの世界で役者をしてみたい。もちろん、2ヶ月ぐらい北海道に住む覚悟でね。

大塚ムネトの不定期日記