「廃墟建築士(作・三崎亜記集英社刊)」
福岡在住の三崎亜記さんの本は全て読んでいる。「となり町戦争」から最新作の「廃墟建築士」まで。ボクは大ファン。
「となり町との戦争が始まる」と言う文章から始まる「となり町戦争」では、日常の風景に、非日常であるはずの戦争が「さりげなく入り込んでくる」不思議な世界を描いていて、一気に引き込まれた。出来ることなら、これを舞台化して上演したいぐらい大好きな作品。
最新作の「廃墟建築士」は4つの作品からなる。「七階闘争」は、建物から7階を撤去しようとする人々と、それに反対し七階を守ろうとする人々の話。こう書くと、なんのこっちゃと思うかもしれないけど、作者の物語る世界の心地よさに、いつの間にか日常が不思議な世界に変わっていく。これがたまらなくいい。
先日ある記者さんから、「三崎さんを取材した時にギンギラの話が出て、毎回観てるとのことでしたよ」と教えてもらい、「こちらこそ毎回読んでる大ファンですと伝えてください」と話したけど、伝わっているかな・・・。