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2010年2月 6日 (土)

物語を浴びる

執筆が続いているとき、あえて時間をとって「全然関係ない本を読む時間」を持つようにしている。色々な物語を味わう事でリハビリになるというか。物語作りの疲れを、物語を浴びる事で癒すというか。

ボクの場合、このパターンのリハビリが多く、「かぶりモノ作りの疲れを、博多人形を作って癒す」なんてのもある。

ようやく読み終えたのが「1Q84」。よくジョージ・オーウェルの「1984」の話題が出ているが、それよりは、フィリップ・K・ディックの「流れよ我が涙、と警官は言った」を思い出した。こっちも設定は1984年だし、主人公の疲れた男は、「もう一つの世界」で酷い目に遭い、ある少女との出会いがキーになるし・・・。べつに似てることはどうでもよくて、1冊の本からイメージがひろがるのが楽しいのだ。

映画で思い出したのが「トゥモローワールド」(この映画、絶対タイトルで損していると思う)。この映画決して派手なCG映画とかではない。舞台は、近未来のイギリス。人類に子供が生まれなくなって何年もたち、世界で国家が崩壊する中、イギリスは鎖国をし、恐怖政治で人々を支配している。この映画の主人公もしょぼくれた中年男性。「死」のイメージに包まれていく世界に、ある奇跡が起きて・・・。

こうして「1Q84」から始まり、「流れ我が涙~」へ、そして「トゥモローワールド」を夜中にDVDで観たところで、今回のリハビリは終了。何度も泣いて、ハラハラドキドキして、しみじみ。そして悔いなくグッタリして寝る。

出力をする仕事をしているからこそ、こうした入力も必要だと思っている。たとえば締切まで3日ある時、ボクは2日で仕上げて、3日目はこうして過ごすように心がけている。

大塚ムネトの不定期日記