« 明日は後半通し稽古&泣く泣くカットした場面 | メイン | キャナルシティ劇場内覧会 »

2010年11月24日 (水)

久々の休みは本と映画で

午前中にかかりつけの耳鼻科へ。公演前の定期検診というか。悪くなってから行くのでは遅いのだ。さすがに連日の稽古で酷使しているので、声帯が少し腫れぎみとのこと。「声帯を休ませるのが一番」なので、今日は一日家で静かに過ごす。

誰にも会わず誰とも喋らない日。こうして一人で過ごすのは本当に久しぶり。読書と映画に一日浸る。

まずは読みかけだった、朝日文庫「原節子 あるがままに生きて」を読む。東京物語のヒロイン原節子の発言を集めた本。本の帯に書かれた「好きなもの、まず読書、次が泣くこと、次がビール、それから怠けること」という彼女の言葉にひかれて買った本だった。彼女の発言を読むと、時代やまわりに流されずに、自分をしっかり持った女性だったんだなぁと、じみじみ。

次はマンガ大賞を取ったお風呂マンガ「テルマエ・ロマエ」の第2巻。1巻目で展開のパーターンが出来ていたので、マンネリを心配したが、取材と自信に裏付けされた「媚びないネタの選び方」に好感。月刊連載なのが質を保つには良いんだろうけど、読者としては早く読みたいとの思いも。「早く、でも良い作品を」というのはワガママなんだけど。

あとマンガの楽しみは、12月発売の「宇宙兄弟」12巻。宇宙飛行士を目指す主人公の成長物語と、設定は特殊だけど物語は見事に普遍的。

楽しいのが、サンデル教授の「これから「正義」の話をしよう」という本。これ、番組もずっと見ていて、東大でのスペシャル講義、インタビューもチェックするぐらい気に入っている。問題は、気に入りすぎてなかなか読み進めないこと。サンデル先生の出す「多数を助けるためなら少数は犠牲になって良いのか」という究極の問題が面白くて、「これが物語の展開の途中だったら、さてどう進めるか」と、脚本家モードで延々と楽しく考えてしまうのだ。

一日無言で楽しく過ごした今日の締めくくりは、元気が出る映画「パイレーツ・ロック」。ロック音楽のラジオ放送が制限されていた1960年代のイギリスで、24時間ガンガンにロックを流しまくる海賊放送局を舞台にした物語。全編に流れる名曲、ちょっと下品だけど笑えて泣けるエピソードの数々。出ている役者も良い。いつかは終わるお祭り騒ぎを、だからこそ全力で楽しむオヤジDJが泣ける。ちょっとベタな部分もあるが、欠点までひっくるめて全部お気に入り。もう何回見たことか。

「ブルースブラザース」に負けないぐらいお気に入りの「パイレーツ・ロック」。

大塚ムネトの不定期日記