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2011年11月23日 (水)

ようやくお客様に観てもらえる日が来た!

初日が無事終了・・・正直に言うと、ハプニングも少々。衣裳がちょっと違ったり、装置の転換が違ったり。そこは日頃の稽古の力で、それぞれが「何でもないフリをしながら」お客様の楽しい気分を守る。

「お客様に喜んでもらう」。・・・ボクは、本当にただ、ただ、この思いで芝居を作っている。

このお客様には2つあって、1つは「観客として劇を見てくれるお客様」。もう一つは、登場キャラを作るために、取材先でお会いした現場で働いている方々。現場を支える思いをきちんと描いた上で、一般のお客様に喜んでもらうのだ。

だから、勝手に「頑張っている店」を殺したりして安易な起伏の物語を作るのではなく、限りなく事実をふまえて、その上でワクワクして泣ける物語を作る。これは作劇としてはとても苦労するけど、15年ずっと守ってきた。

本作りだけではない。役者としても、稽古場で、「きっと、この場面は喜んでもらえるはずだ」と、ワクワクしたり、「いや、今のテンポだと違うかな・・・言い回しを変えるか・・言葉を明瞭に・・」など、いまだ出会っていないお客様が、どうしたら喜んでくれるかを考え、何度も何度も同じ場面を稽古する。

もちろん、長年の経験で、お客様の反応をわかっている自分もいる。だからこそ、毎回初心で向き合わなければとの思いもあり、うぬぼれとドキドキの間を行ったり来たり。

とにかく稽古なのだ。

この稽古は、稽古場だけでの作業ではない。移動中の時間、風呂の中、寝る前などなど・・・使える時間は全て、頭に中に舞台をイメージして必死に稽古している。この作業を、きちんとやっていれば、必ずセリフも入る。と言うかセリフが入らないと始まらない作業。セリフを覚えるのは稽古場での作業ではない。

頭の中の自分が、まずはセリフにつっかえるところからはじまり、だんだん言葉が生きはじめ、この頃から稽古場で他の役者と実際の稽古もはじまり、ひたすら「どうすればお客様に喜んでもらえるか」を、繰り返し稽古する。

脳内稽古も含めて繰り返し稽古の日々。

何度もやっていると面白い場面の「面白さ」を忘れそうになるときもある。ボクは演出でもあるので、自分の作業だけでなく、「面白さ」を見失いそうなヤツを励ましたり、怒ったりもする。

そうやって、やっと・・・やっと本番。だから、それぞれの場面で役者が存分活躍し、お客様が喜んでくれていることが、嬉しくて、ホッとして・・・。

で、今日の日記のタイトルの気持ちになるのだ。

大塚ムネトの不定期日記