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2013年10月

2013年10月31日 (木)

伊佐錦の生きる音

今は観光名所となっている発電用の取水口跡を見学してから、水力発電所の遺構へ。普段は鍵がかかっている場所に特別に入らせてもらった。直接さわって、中に入って大きさを実感して、においや空気の感じなど、五感総動員の取材。

伊佐には「東洋のナイアガラ」と呼ばれる見事な川があり、その水を利用して水力発電所が誕生した。今も水力発電所が動いているが、初代からの設備を一部受け継いでいる。この物語がなかなか素敵。

午後から市役所で市長さんに挨拶をして、焼酎「伊佐錦」の製造工場へ。ちょうど仕込みの時期とのことで、大型トラックで続々とサツマイモが工場に到着していた。

貯蔵タンクを特別に見せてもらったが、発酵して「パチパチパチ」と泡がはじける音と、焼酎のおいしい香りが、たまらない。焼酎が生きているのを実感。伊佐錦がおいしいのは伊佐の水がおいしいから。

水力発電に焼酎。伊佐の物語は、水の物語になるんだろうな。

2013年10月30日 (水)

2015年に開催の国民文化祭で芝居を作ります!

鹿児島県伊佐市へ。2015年に開催の国民文化祭で、伊佐市の街を題材にした芝居を作ることになったのだ。

昼過ぎに伊佐に到着し、まずは明治時代に作られた水力発電所の遺構を見学。この遺構は、普段はダム湖の底に沈んでいて、水位が下がる夏場しか見ることが出来ないのだが、ちょうどダムの改修工事中だったおかげで水位が低くて見ることが出来た。

湖の底に沈んでもなお、レンガで組まれた建物の外側が残っている姿に、100年を超えて存在し続ける執念のようなものを感じてしまった。この建物がキャラになったら、なんとしゃべるんだろうか・・・。これから取材を積み重ねることできっと言葉が聞こえてくるはず。楽しみだ。

続いて、下流の鶴田ダムへ。こちらも隅々までしっかり見学させてもらった。普段は取材で苦労することが多いが、国民文化祭に向けてなので、どこもとても協力的。とことん取材が出来るので嬉しい。日本の土木技術のすごさに堪能し、帰りは「ダムカード」というカードまでもらった。

この「ダムカード」というのは、全国に収集しているマニアもいるくらい人気のカードとのことで、表にダムの写真があり、裏にはダムのデータが書かれている。全国のダムにあるらしく、そのダムの管理事務所に直接行かないともらえないらしい。こんなカードがあるなんて、しかもマニアに人気とは知らなかった!ダムの世界も奥深くて面白い。

夜は伊佐市の劇団「非常口」の皆さんと交流会。伊佐市を舞台にした芝居は、非常口の皆さんと共同製作をすることになっているのだ。大野城で「四畳半の翅音」がリーディング公演されたのを見て以来、作・演出の島田さんといつかご一緒したいと思っていたので、今からとてもわくわくしている。

2年後に向けて楽しい企画が始まった。

2013年10月27日 (日)

ウォーキングデッド・シーズン4

「ゾンビと戦う話だけでシリーズが作れるのか」と、興味本位で見始めた番組だったが、単なるホラーではなく「極限状態での人間ドラマ」を見事に描いていることに驚きすっかりファンになっている。

ただ、いまだに残酷シーンでは薄目になるけど(スプラッター描写は苦手なのだ・・)。

ゾンビと戦うシーズン1と2、そして「本当に怖いのは人間だ」と人間同士の対立を描くシーズン3。さあ、シーズン4はどうくるかと思っていたら、今度の敵は「見えない相手」。上手いなあ。 

2013年10月26日 (土)

打入り

音二郎の稽古を早めに切り上げて、アクティブ事務所の稽古場で打入り。今回、役者だけで参加なので楽しいばかり。初演の時は、本を書き、演出をし、さらに出演だったので、余裕は全然無かったし。「本番」という、ただ一点に向かって突っ走ったというか。

こうして3年ぶりに作品と向き合うと、時間をおいたおかげでちょっと離れて作品を見ることが出来る。さらに今回は伊集院さんが演出なので、ボクの目線は、「役者」のみ。

そのせいか「どう演じたら良いんだろう・・」と、自分で書いたくせに悩む楽しさを味わっている。 

2013年10月24日 (木)

久々の休み。ひたすら本の世界へ。

「腰ぬけ愛国談義(文春ジブリ文庫)」。対談で戦争や時代を語る。宮崎駿の「機械の色は激しく発色してしまう、渋い色が作りにくい」とデジタルと格闘しながらもジブリらしさを守る苦労話なども面白かった。

「文藝春秋11月号」。記事の「没後十五年、渾身のノンフィクション 三船敏郎の栄光と、その破滅」を読みたくて。これまでに知られていた話の、さらに裏側に迫っている。スキャンダラスな部分も取り上げていて、そのため近親者からの取材拒否があったと記事内でも書かれていた。人としての弱さや素顔がみえても、世界の三船のすばらしさは変わらない。

「恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES (中央公論)」。村上春樹が選んだ恋の物語。ちょっと買うのが恥ずかしいタイトルだったなと。最後に収録されている村上春樹の短編「恋するザムザ」が目当て。カフカの変身を初めて読んだときのショックを思い出しながら、楽しく読む。彼が戻ったとき、今度は世界が変身していたのか・・。

活字の疲れは、「3月のライオン9巻」「銀の匙9巻」のマンガ2冊で癒し、ひたすら本の世界。徹夜でだらだら読み続ける幸せは、体を酷使して休みになってないような気もするところだけど・・・。さらに明け方は、三船敏郎映画大会(もちろんボク一人)をこっそり開催し、気がつくと寝ていた。

幸せな休日。

2013年10月22日 (火)

大丸イベント

昼から会場の日航ホテルへ。今日は大丸の関係者が集まった60周年記念イベント。上演するのは、もちろん「女ビルの一生」。いまは亡き玉屋さんと大丸を女ビルに見立てた短編だ。

作品はおなじみだが、玉屋さん「中村雪絵」、大丸「宗マキコ」、エルガーラ「三坂恵美」、パルコ「多田香織」と、キャスティングが新鮮。本公演でもいいぐらい、上手い役者が集まってくれたので、イベントで上演のみと言うのが、本当にもったいない。

パサージュ広場で上演できたら楽しいだろうな。

今日の大丸のイベントで、怒濤の10月が一段落。今月は撮影から始まり、NHK、この大丸と稽古掛け持ちの日々だった。 

2013年10月20日 (日)

NHKイベント

来年の大河ドラマに向けて「黒田官兵衛」の話を作って欲しいと頼まれた。西日本新聞のCMもそうだが、地元にこだわって活動してきたので、こういう依頼はとても光栄なこと。

完成したのは、最初に城主となった姫路城、もしや天下を狙ったかもと言われている中津城、晩年時代の福岡城という、3つの城が登場し、官兵衛様を物語る短編。

今日のNHK福岡局でのお披露目は、ボクも福岡城を楽しく演じた。キャストを変えて今後もイベントなどで上演されるらしいので、機会があればぜひ。 

2013年10月 9日 (水)

音二郎の稽古に合流

9月公演、CM撮影・編集が終わり、ようやく音二郎の稽古に参加。いきなり第一部の通し稽古をしていたので、出遅れたことを焦る。

アクティブハカタの稽古場は、役者がギュウギュウに集まっていてすごい熱気。今回は役者としての出演なので、楽しいばっかり。演出の伊集院さんにすべてを委ねて、舞台の上を暴れ回った。

やはりボクは役者が一番好きなんだなと、再認識。ただ、激しい人見知りなので、今回初共演の役者さんに緊張してしまった。早く慣れないと。 

2013年10月 3日 (木)

CM撮影(情報解禁後に更新)

西日本新聞のCM第2弾の撮影。今回は、新聞くんの家族が登場する「ホームドラマ編」。糸島にある、一般のお宅を借りての撮影。まるでセットのような「昭和テイストの屋敷」に、出演者も驚いていた。

今回のCMに登場する新聞キャラは、6人。

○おじいちゃん新聞(豊永英憲 劇団きらら)  ヒデが、何とも力の抜けた良い味を出して新鮮。映像では一瞬だが、現場でのスタッフ受けは一番で、モニター越しにみんな大笑いだった。このキャラを主役にしみじみとした話を作りたくなったほど。

○おばあちゃん新聞(池田美樹) 清楚で美しい所作で、さすがな存在感。口元がキリリとしているのが素敵だなと。9月公演もそうだったが、大人な女優の魅力。今回は座っての芝居だったが、着物での立ち姿もさすが。

○お父さん新聞(大塚ムネト) 前回は、ボク一人だけの登場。じつは企画段階から家族設定は出来ていて、今回は、お父さんとして登場。

○お母さん新聞(中村雪絵 劇団ぎゃ) さすがの存在感で、憎めない「サザエさん的な母」になってくれている。尺があれば一曲歌って踊ってもらうところなんだけどねぇ。

○お姉ちゃん新聞(多田香織 劇団ガラパゴスダイナモス) 初登場の多田ちゃん。ガラパの中心女優として活躍中。ふんわかしているようで、しっかり自分の世界を持っている。初ギンギラがCMと一瞬なのが申し訳ない。いつかしっかり出演してもらいたいなと。

○おとうと新聞(宗マキコ 劇団きらら) 名探偵コナンのような姿で少年役を演じている。お姉ちゃん役の多田ちゃんよりも年上なのに、母親役の雪絵ちゃんよりも年上なのに・・・と、これ以上書くと怒られそうなのでやめるが、相変わらずの年齢不詳パワー。

以上の6名が登場するCM。11月放送予定!

2013年10月 2日 (水)

ひょっこり短編

9月公演の稽古中に、ヒデと雪絵ちゃんがユニットを組んで公演することを2人から聞いた。で、上演用の短編を書いて欲しいと頼まれた。もちろん、その場で承諾。いつもと違うテイストで短編を書くのも楽しいからね。

締め切りは年明けぐらいと、まだ全然時間があったのだが、今朝、ふとひらめいたテーマがあり、楽しく一気に書き上げた。物語は、「たった10分でえがく、ある男と女の一生」。

我ながら楽しい作品が出来て気分が良いが、問題は、かぶり物製作の追い込み中だってこと!そう、これって「試験勉強中に部屋の模様替えに熱中」的な、現実逃避から生まれた作品なのだ。

大塚ムネトの不定期日記