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2022年12月25日 (日)

天神ビッグバンで思う「3つのこと」。

○まずは「安堵」。

天神を取材して25年以上になるが、「ビルの老朽化問題」がずっと解決できないままだったのが心配だった。

「高さ制限」で高いビルは造れないし、今の容積率だと、新しいビルは、古いビルより小さくしないといけなかったから、なかなか建替えが進まなかったのだ。「時代を作ってきた天神が、時代に取り残されるかも」と本当に心配していた。

ほとんどのビル関係者は「高さ制限は絶対だ」と諦めていたので、特区になって高さ制限が緩和された時は、その手があったのかと驚き、「これで老朽化問題が解決する」と安堵したのだ。

そして緩和を勝ち取るために、行政の方々が、何度も何度も国と交渉したことを知って感動した。天神は、誕生の時から行政と民間が力を合わせて町を作ってきた。新たな時代も、力を合わせて切り開くのだなと。

○もちろん「別れの寂しさ」も。

もちろん長年演じてきたキャラがいなくなるのは寂しい。小さい頃から家族で出掛けた思い出いっぱいのビルもある。

でも、生活様式が変わり、ネットや郊外のショッピングモールで購入する人も増えて、天神は「商業地としての新たな展開」を必死に模索していた。

だから、古いまま廃れて無くなるのではなく、新たに生まれ変わる「前向きなお別れ」だと思っている。

○そして期待。

ボクは期待している。建て替える時は、「セットバックで歩道を広くする」「公共空間を作る」「新しい天神らしい、優れたデザインにする」と、より快適な天神を目指す事になっているからだ。

ひろがる天神の空間では、ぜひ「各世代へのワクワク」を提供してほしい。これまで商業地として盛り上がってきたが、取材すると「買物をしない人には魅力が少ない」「購入ターゲット層以外には面白くない」と言う意見もあった。

いまや、モノではなくコトの時代。商業地としての魅力はもちろん、文化・学びの場、買物をしなくても休まる憩いの場と、各世代が多種多様な目的でワクワクできる天神になることを期待している。

・・・と、ボクが思う「安堵」「寂しさ」「期待」について書いたが、様々な意見があると思うので、今後、各方面に取材を考えている。

大塚ムネトの不定期日記