最終日
ギンギラ出演が初めての役者もいるので、「最終日も、いつも通りに存分に」と声をかける。稽古で作り上げた世界観を守りつつ、再現になるのではなく、毎回を新鮮な気持ちでやるのだ。
おかげさまで当日のお客さまも多く、盛り上がる最終日となった。昨日も書いたように、今回の作品をとても気に入っているので、評判がいいのが本当にうれしい。
アンケートを読むと、岩手出身の方や、宮沢賢治に詳しいお客さまには、「知っているからこそのおもしろさ」を堪能してもらえている。もちろん、詳しくないお客さまも、決して置いてけぼりではなく「ギンギラの新作」として楽しんでくれている。
短編集と名付けているが、実は「すべての物語が緩やかにつながっていること」に気づいてくれたお客さまも多数。
さらに「下品コントも良し」と言うお客様も多い。まあ観てもらえればわかるように「下品コント」とあえて品が悪い感じに告知したが、実際は「生きること」をギンギラ流に真剣に訴えた作品だったので、そこがきちんと伝わったのもうれしかった。
長年やっていると、「自分がやりたいこと」と「お客さまが求めるもの」との間にずれが出ることもあるから、好評なのが本当にうれしいのだ。
まあ、人を呼ぶことが大変な演劇というジャンルで、16年間ここまでやれているんだから、幸せな悩みと思わないといけないのかもしれないが。