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2008年12月

2008年12月28日 (日)

第4話、第5話ロケハン

海の中道でロケハン。ここの芝生広場を「太陽の塔がぽつんと立っている万博公園」として使うのだ。第4話と第5話は「昭和特撮」がテーマなので太陽の塔を広場に合成し、さらに巨大化もして、ついにはビーム光線も飛び交う予定。もうとことんやるのだ。あー楽しみ。

太陽の塔の巨大化については、合成だけでなく「視覚トリック」も使う。これは、カメラの手前と奥にそれぞれ人を立たせて一度に撮影すると、手前の人が巨大に奥の人が小さく見えるというやつ。昔からのお馴染みの手法だが(伊丹十三がツムラのCMでも使っていた)、「昭和特撮」にはピッタリでしょ。

2008年12月27日 (土)

撮影2日目

今日は1日中、舞鶴公園の福岡城跡で撮影。午前中は「第1話、ひかり侍が博多駅の関所を破って旅立つラストカット」から。城から飛び出して池にかかる一本橋を走る姿を、右、正面、左、とそれぞれ広い画と寄った画で撮影。あとカメラも一緒に走る画など。朝イチの撮影なので当然「朝らしい光の画」だが、本編では夕方の設定なので、編集の段階で色調整することに。続いて「第2話、蒸気機関車との出会い」を撮影。

午後からは「第1話オープニング、博多駅の関所を破る場面」と「第1話クライマックス、ひかり侍と500系忍者軍団の殺陣場面」。500系首領は中島荘太。ソウタは今回「東京駅殿」「0系新幹線」「500系首領」と大活躍。それぞれをいい感じで演じ分けてくれている。頼もしい。

殺陣についてはあらかじめ決めた動きを何度かくり返しながら撮影。今日もあっという間に日没で撮影終了。うーん・・・実は第1話を全て撮り終える予定だったが半分ぐらい残ってしまった。決して段取りが悪いとかではなく、あまりにカット数が多いので(自分で多くしてるんだけど)、次々撮影しても追いつかないのだ。ひとまず年内の撮影は今日で終わりなので、この2日間を踏まえ来年に備えようと思う。

2008年も後少しだが、暮れも新春も関係なく撮影の準備に追われそう。絵コンテも描かないといけないし。この撮影が終わってドラマが完成するまでは、正月はお預けかな。 

2008年12月26日 (金)

撮影初日

集合は朝6時半。嬉しいし興奮しているしで早く目が覚めてしまい6時には事務所へ到着。しかし当然誰も来ておらず、外で30分待つことに。暗くて寒い中で待っていたが、頭の中は今日撮影する画のことで一杯。色々想定している間に時間はすぐ経った。

6時半に全員集合。さっそく最初のロケ地「肥前夢街道」へ。

園内にある「大名の間」を「東京駅様が住む殿の間」として撮影するのだ。まずは、ひかり侍の暴走を知った「中央司令室家老」が廊下を走ってくるところから撮影開始。撮影カメラは2台あるので、「慌てて走る家老の広い画」と「廊下を走る足もとの寄り」を同時に撮影。ボクはモニターでカメラの画を見ながら画面の指示。東京駅殿は中島荘太、中央司令室家老は石丸明裕が演じている。暴走に怒る家老と、走るのがちょっと嬉しそうな東京駅殿のやり取りが楽しい。良い感じ。

まずはカメラのセッティングを指示し、準備している間に演技指導と、効率よく進めているが、準備、リハーサルなどで時間がすぐに経ってしまう。室内の次は園内でエキストラを加えての「大阪市内」を撮影。時間ギリギリまで粘って「時代劇らしい画」にこだわったよ。

午後からは志賀島へ移動。初日から移動車内でのバタバタ昼食となってしまった。今回の予算で許された撮影期間は4日間。そして撮影時間は日の出から日没まで(大がかりな照明は無し)。果たして全て撮り終えることが出来るだろうか・・・。今日で「一日あたりの撮影可能カット数」をつかまなければ。

志賀島では第2話に登場する蒸気機関車との場面を撮影。蒸気機関車役は舞台と同じ吉田淳。この第2話のテーマは「しみじみとした日本映画」なので、キモは「美しい景色」。イメージは壮大な海を背景に広いサイズで2人が語り合っている画。口元が見えなくても(そして、口の動きが合っていなくても)いいのだ。昔の日本映画では主人公の気持ちを吐露する場面でこういう画が効果的に使われていた。大事なところはアップを挟んで後はひたすら広い画での会話。成立させるには圧倒的な画力が必要になる。嬉しいことに、これバッチリ撮影出来たよ。

さらにラストシーンは「美しい夕焼け」と決めている。ただし、天気はこっちの力ではどうにもならない「運まかせ」の世界。残念ながら今日の天気予報は良くなかったので半分諦めていたのだが、何と、ビックリするぐらいきれいな夕焼け空になった。もう全員で喜び、そして焦る。なぜ焦るかというと、夕焼けというのは日が沈む一瞬のことなので、撮影可能時間がものすごく短いから。しっとりとした別れの場面を、「あー日が沈む!急げー!」「ああNG!もう一回、早く早く!」など、全然しっとりする間もなく大あわてで撮影。役者には申し訳なかったかな。でも何とかラストカット「海辺を走り去るひかり侍」まで撮ることが出来た。ホッとしたところで初日の撮影は終了。

こうして初監督としての1日目が終わった。

2008年12月24日 (水)

かぶりモノ作業

午後からソウタが来てかぶりモノ作業。「昭和特撮 前後編(第4話と第5話)」のクライマックス用に500系を追加製作する。あと、ハイビジョン撮影でアラが目立つので塗装をやり直したりなど。

夕方から主役の「ひかり侍」を演じる林雄大も来る。作業を中断して、「第1話、博多駅の関所から脱出する殺陣」を3人で相談。雄大もソウタも嘉穂劇場でのギンギラ時代劇で経験を積んでいるので、ずいぶん殺陣についての引き出しも増えている。なのでとても頼もしい。大きなイメージをボクが話し、細かな手数を3人で相談。楽しい時間。

後から気がついたが今日はクリスマス。しかし今はそれどころではないのだ。

2008年12月22日 (月)

ロケハン

朝8時過ぎにピクニックに集合してロケハンへ。まずは佐賀の肥前夢街道へ。ここでは東京駅様が住んでいる「江戸・東京駅」の場面と、園内の街並みを利用して「大阪市内」を撮影する予定。続いて福岡に戻りつつ虹ノ松原へ。午後からは志賀島の岩場巡り。すでに撮りたい画は頭にあるので、イメージに近い場所を探す。メンバーは制作アシスタントとボクとテクニカルサポートのディレクター、メインカメラマン。

嬉しいことに、今日下見した所はどこもイメージ通り。あとは撮影当日が天気であることを願うのみ。

2008年12月18日 (木)

読み合わせなど

午後からピクニック事務所で全5話のイメージをスタッフに説明。第1話は「ザ・時代劇」。第2話は「しみじみとした日本映画」、第3話は「プロモーションビデオ風」、第4話と第5話は、「昭和特撮、前後編」。せっかく映像に挑戦出来るので、それぞれにテーマを作り、「そのジャンルならではのカット割り」もいれているのだ。映画ファンが見れば「あの映画の場面だ」とわかってもらえると思う。

夜は役者も集まり読み合わせ。

2008年12月16日 (火)

ミニドラマで監督に挑戦!(2009年1月25日情報解禁)

じつは12月公演後から「NHKデジタルラジオ」で配信するミニドラマの準備、撮影をしていた(11月29日に書いたドラマの話がこれ)。デジタルラジオというのは、現在試験放送中の新しい媒体で、「ラジオなんだけど動画配信も出来る」のが特徴とのこと。NHKの関係者がギンギラの芝居を観て映像化の話が持ち上がったのだ。

今回作る番組は1話5分で全5話。「BORN TO RUN」を時代劇に書きかえた「走れ!ひかり侍」と言う作品で、初代0系新幹線「ひかり侍」が、博多駅の関所を破り、江戸・東京駅を目指して暴走を始める。果たしてひかり侍の行く手に待つものは・・・と言う物語。

年が明けて2009年の1月25日で情報解禁になったので、時間をさかのぼって去年の12月16日の顔合わせのことから。

○12/16 顔合わせ 今日は関係者の初顔合わせ。今回のドラマを作るに当たって、「ボクが監督」「地元福岡のスタッフで全てを制作」という2つのことに挑戦する。「地元の力」で芝居だけでなく映像も発信出来るようになりたいのだ。

打ち合わせのあとは福岡城跡に一人でロケハン。ここでは「第1話」のほとんどを撮影する予定。すでに決めている撮影場所でカメラのアングルなどを色々考える。短い作品だが、長年夢だった監督が嬉しくて仕方がない。頭の中で映像を浮かべて一人ニヤニヤ。

大塚ムネトの不定期日記