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2005年6月

2005年6月30日 (木)

これだ!

まずは順番に部分稽古をしていったが、どうも役に集中出来ない。27日の初通しでつかんだ「手応え」をなぞろうとしてしまい、「今を生きる」のではなく「再現しようとする方」にエネルギーをとられている感じ。ついには「うまく再現できなかった自分へのダメ出し」が積み重なって、一瞬セリフが出てこなくなってしまった。いかん、いかん・・・どうも、がんじがらめになってしまったみたい。すぐに気を取り直して最後まで演じたが、終わったあとは、猛烈に反省。

で、乱暴だけど、夜の通し稽古では、「どんな事があっても後ろを振り返らず、ただひたすら瞬間だけに生きて突っ走る」ことにした。周りには何気なく「ちょっと気合いを入れますから・・」ぐらいの事を言って、ちょっとどころか、最初からエンジン全開で通しに挑む。

嬉しかったのは、その勢いにすぐとまとママが反応してくれた事!「瞬間をとまとママと共に駆け抜けた1時間半」だった。今日までの段階としては自分の精一杯を演じきったと思う。終わったあとは演出も喜んでくれていたので本当によかった。夕方の稽古でふがいないところを見せてしまった分を挽回出来たよね。

2005年6月29日 (水)

衛生陶器の話(今日は稽古が休み)

水洗トイレのレバーがまた折れてしまった。以前折れたところをパテでつないでいたのだが、強度がたりなかったみたい。さすがに自分で直すのは諦めてメーカーに部品を注文することにした。ただ、まだ部品があるのかがちょっと心配。何しろ便器に書いてあるメーカー名は「INA」。この「INA」というのは「INAX」の昔の社名で、今から20年ぐらい前の製品なのだ。

ところで、INAXとTOTOは設立に関わった人物が同じって知ってた?さらに洋食器のノリタケも関係あるって。どれも陶器だから、さかのぼっていくと一人の人物につながっていくんだよね。この辺の話もかなり面白いが、今日は部品の話。

半分諦めつつ電話して聞いたら、ちゃんと今でも同じ規格の部品があるとの事。平気で規格を変えていく企業も多いのに、20年間同じ規格を守っているなんてちょっと感動してしまった。まあ、めったに壊れないモノだから、当然と言えば当然か。

2005年6月28日 (火)

アンサンブルチーム大活躍

部分稽古をしながら、アンサンブルチームの場面を細かく決めていく。ちょっと不思議な登場の仕方をするが、それが演出のねらい。ただ、調子に乗ってやりすぎる子もいて、演出がずっこけながらダメ出しをしていた。まあ、恐縮して何も出来なくなるよりはいいよね。

アンサンブルチームは、ボクら2人と絡むだけでなく、とまとママの振り付けで踊るシーンもある。ちょっとへんてこなダンスの振り付けにみんな大喜び。今日の稽古場は大騒ぎだったなぁ。

2005年6月27日 (月)

新たな悩み

昼過ぎにホールに入ると、すでにスタッフの方々が舞台の用意をしてくれているところだった。これからは、本番通りの環境で稽古出来るのでとてもありがたい。今日は、舞台を使って、立ち位置の確認をしながら順番に稽古。食事休憩のあとはアンサンブルチームと合流して、初の通し稽古へ。一気に1場からラストの5場までやってみる。

なんかね・・・つかめてきた様な気がする。

と、せっかく芝居の悩みが解決しようとしているのに、ここに来て新たな悩みが増えてしまった。「スターウォーズエピソード3は、公演が終わってからの自分へのご褒美にする」とボクが発言したのを知ってるくせに、先先行で観た連中が、ボクの前でわざと中身の話をしようとするのだ。今の稽古場にわかっているだけでも3人。ヒデ、ゲン(こいつ、パンフまで買ってきやがった!)、それと某プロデューサー。

特に、某プロデューサーは、いたずらっ子の目で近づいてくるから一番たちが悪い。「さっきの4場だけど・・・」と、芝居の話かと思って聞いてたら「○○の部分がエピソード3に似てたなぁ」なんて言うし。

だから、終わってからのご褒美なんだから言わないでよね!

2005年6月26日 (日)

今日は稽古が休み

ボクが高校2年生の時、長年KBCで放送していた「トムとジェリー」が、ある日TNCに局を変えて放送された。物心ついたときから毎日のように見続けていたボクは、「これは何かが起きたに違いない。今回の放送を録画しておこう」と、毎日速攻で家に帰って必死に録画をした。当時つき合っていた子に、「私に会うより、マンガの方が大事なんて信じられない」と呆れられて別れる事になったが、とにかく録画した。

結局TNCで2回放送されて、以後二度と放送される事はなかった。あとから知った事だが、権利の関係で「昔ながらの吹き替え版」は永遠に封印されてしまったのだ。ボクのイヤな予感は的中していたというわけ。で、ボクの手元には「テレビ完全収録12巻と、ベスト版の1巻」がある。今となっては「超お宝映像」ということになるが、問題は「録画テープが全てベータな上に、ベータデッキも壊れてしまっている」という事。で、いつか見ようと思っているうちに、そのまま10年ぐらい経っていた。

前フリが長くなってしまったが、先週、アラマッキー(彼も熱狂的なファン)がベータデッキを借りてきてくれたおかげで、久々にテレビ版のトムとジェリーを見ている。やっぱりこの吹き替えじゃないとねぇ。よし、この機会に全てDVD化するぞ。

2005年6月25日 (土)

自主稽古

今日は泊君が来れない日なので、ママと自主稽古。制作、舞監などスタッフの方々は来てくれているので、気になる点を相談したり、見てもらったりしながら過ごす。今回、本当にスタッフの方々にはお世話になっている。稽古場に着くと、すでに平台と箱馬でベットが組まれているし、舞台の大きさもテープでばびってある。電気ポットでいつでもコーヒーを飲める様にしてくれているのもありがたい。ボクらが稽古に集中できるように、いろいろと配慮をしてくれているのだ。

さあ、あと本番まで10日。いよいよ来週からはイムズホールでの稽古が始まる。

2005年6月24日 (金)

「2人芝居なのに、2人で寂しい」とは?

午前中は原稿。本当は「昨日の夜中に」という約束だったのだが、昨日の稽古が強烈すぎて、力尽きて寝てしまったのだ。ホント昨日の稽古はすごかったからなぁ。きっと打ち上げでも「きっかけはあの日だったよね」とか話題になるんだろうな。

午後からは稽古。まずは衣装の打ち合わせをして、1場と2場を通す。1場は特にアンサンブルとの絡みが多い場面なので、2人だけだと稽古が寂しい。「2人芝居なのに、2人で寂しい」なんて、変だよね。夜はアンサンブルチームが合流。ママが振り付けのダンスの稽古など。今回の芝居は盛りだくさんで楽しいなぁと改めて思った。

稽古のあとはみんなで飲む。これがまた楽しい。

2005年6月23日 (木)

記者発表&まさに劇的空間

稽古前の午後2時からギンギラパルコ公演の記者発表。会場は稽古場でもある市民会館の練習室C。マスコミ各社から20人ぐらいが集まるので、ずらりと長机が並べられている。昼過ぎには東京からパルコの大竹さんも到着。軽く打ち合わせをしていよいよ記者発表へ。ピクニック代表の武藤さん、パルコの大竹さん、そしてボクの順で公演に対する想いを語る。約1時間の質疑応答のあとはギンギラメンバーもキャラに扮してみんなで写真撮影。なお、今日の発表は明日の朝刊各紙に載るとの事。

記者発表のあと単独取材を1つ受けてから引き続き稽古へ。今日はギンギラメンバーや取材関係者など、いつもより見学が多い中での稽古。あとから思えば、このギャラリーが多かったのが良かったのかもしれない・・・。

稽古は昨日に引き続き4場。「クライマックスのぶつかり合い」になかなか到達出来ないので、まずは「ぶつかり合いの直前まで」をやってみる。何度か繰り返してみたが、やはりもう1つ壁を越えられない。ちょっと諦めつつ「とりあえずもう一度やってみようか・・・」とスタートした瞬間、ママがものすごいテンションでボクに感情をぶつけてきた。手元にあったシーツを思いっきりボクに投げつけて感情を爆発させる。その瞬間、ボクのスイッチも入った。一気に迷いが吹っ切れてママにぶつかっていく。「クライマックスの前まで」と言う事だったが、もちろん演出も止めようとはしない。結局、そのままクライマックスまで全て演じきった・・・強烈な体験だった。終わったあとは、エネルギーを使い果たしたような脱力感で立てなかったほど。でも、こんな心地良い疲労感なら大歓迎。「今日の4場の稽古はこれで終わりにしよう」と泊君も満足そう。

まさに劇的に場面が変化する瞬間をみんなで体験した日だった。

2005年6月22日 (水)

「なりふりかまわず」な場面

今日はクライマックスの4場を稽古。4場は、逃亡の果てに2人がついに「ある答え」にたどり着く場面。「ここはもう技術がどうのとかではなくて、とにかく2人のぶつかり合いです。」と演出からの指示。しかし、まだママとボクの葛藤が、お互い爆発しきれていない。

エネルギー充填120%じゃないと波動エンジンだってかからないんだ!!

と、わかる人しかわからない事を思い浮かべたりしながら、葛藤する。迷いがあるせいか、とりあえずテンポとテンションだけで会話をしてしまうときがある。もちろん、演出はすぐに見抜いてチェックが入る。で、演出からのヒントを頼りにまた自分と向き合う。

2005年6月21日 (火)

楽しく悩む

今日の夜からアンサンブルチームが参加するので、2人の稽古は夕方まで。悩みどころである「絞り込み」もずいぶん慣れてきた。最初は何かが減っていくような不安があったが、減ったのは「もともとよけいだったモノ」なので、「必然部分」をふくらませればいいはず。というわけで、演出がしっかり見てくれているので安心して試行錯誤を続けている。

夜はアンサンブルチームとの初稽古。思ってもなかった様な場面が次々と出来ていく。そりゃそうだ、だって元の脚本に無い事ばっかりだし・・・。泊版東京物語がだんだん見えてきた感じ。もちろん脚本通りの場面も、演出の指示で進んでいるので、そういう意味では、すでに泊版東京物語になっているのだが、今日のアンサンブル場面は「具体的に見える形」なので、よりわかりやすい特徴といえる。

稽古が終わってローソンチケットの取材を受けたが、「以前ギンギラの稽古場で見た大塚さんは険しい表情でしたが、今日はずっと嬉しそうでしたね。」と指摘されてしまった。「いえ、それは、たまたま追い込みで険しかっただけですよ。」と慌てて言い訳。今日の稽古は「新たな東京物語」が姿を見せ始めた稽古だったので嬉しくて仕方なかったのだ。

大塚ムネトの不定期日記